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2006年12月20日14時22分
時点のものです。

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雨宮 処凛

アトピーの女王

アトピーの女王

人気ランキング : 249747位
定価 : ¥ 1,365
販売元 : 太田出版
発売日 : 2002-08

商品名 アトピーの女王
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アトピーの患者さんの真の苦悩がわかります

この本には普通のアトピー性皮膚炎の患者さんが体験すると思われる「つらく・悲しく・絶望を感じる・そしてあきらめる」ということが記述されています。一般的にアトピーは死ぬ病気ではないし、もっとひどい病気で苦悩している人が大勢いるとか言われますが、この本を読めばそんなことを言える人はいなくなるでしょう。アトピー性皮膚炎がどういう症状を引き起こし、どのようにつらく、悲しく、苦悩の日々が悶々と永久に続いていくのか、的確にわかりやすく表現されています。また実際のアトピービジネスについても実名を上げ批判されています。P127には「重症アトピーのメッカ・土佐清水」に重症の弟が治療に行き、うちの弟にとってはまさに「命の恩人」だったとの記述があり、具体的な治療方法や費用が説明されています。P197には著者が治療に行った「北のアトピー天国」薄場皮膚科の治療や治療費について、やはり具体的な記述があり参考になります。薄場皮膚科は残念ながら最後に説明なしにステロイドの飲み薬が1日2錠7日分出されたのでがっかりしたと記述されています。二つの病院が特記してありますが、著者が弟の「命の恩人」の土佐清水病院に行かない理由は自由診療で費用がかさむことと、P206に記述してある薄場皮膚科では「食事制限」がないことが理由のようです。土佐清水病院では「動物性脂肪」を除去する和食を食べるよう指示があるためで食事が問題のようです。
この本には現状のアトピー治療の問題点や、独自治療で全国的に有名な二つの病院の治療方法と治療金額まで具体的に実名で記述し「どうすればいいんだ」という患者の切実な気持ちが表現されています。
私は和食が食べれる方は土佐清水病院に行かれたほうがよいと読みとりましたが、悩んでいる方は一度よく読んでみて下さい。

アトピーの精神的痛手はどれだけ知られているのだろう

笑いながら読める、という意見が多いようで…、冒頭の「ぬらりひょん」と「かまいたち」なんかはよくぞそんな言い得て妙な表現をしてくれた!って感じで、その体験者である私も声を出して笑ってしまいました。

だからといって、ただの面白い読み物として、読後に記憶から抹消しないで下さい。ここには、多くのアトピー本には書かれなかった、というかおそらく医師には考えも及ばないような精神的な痛手が生々しく告白されています。
子供独特の残酷なイジメ、常に抱えなければならない劣等感、自らの手で呪われたように掻破し続ける罪悪感、家族の無理解や家庭の不和、を引き起こしたまた罪悪感…。
ステロイドを長年使用して来た患者が、いわゆる「アトピービジネス」に直面した時、それが一体どれほどの魅力を放って命綱の如く錯覚させるものか、想像したことがありますか?もうそれはほとんど宗教のように、地獄の日々から毎日救われる日だけを夢見て、新しい救世主の存在を同じ問題を抱える友人知人に広めようと、無意識に布教奉仕活動までしてしまう位、強烈に脳裏に刷り込まれてしまう洗脳現象です。
しかし、「リバウンド」という日本語でもない曖昧な語感から想像するには余りにも凄惨な悲劇は、社会生活が困難になり、人目に触れないという点から、これだけアトピー論が盛んになった現在でも、現実問題としての危機感が薄いという傾向にあります。

ただ治りたいだけなのに、怒られ、嫌われ、蔑まれ、騙される、アトピーという見た目に現れるが内面の方がより深く病んでいく皮肉な病気について、一般の人にも擬似的に理解できる本だと思います。

同じ体験をした人は、電車で読まないほうがいいですよ。涙が止まらなくなります。

皮膚科に研修にくる学生や医者にはこの本の一読を薦めています。

アトピーに関係ある人もない人もこの本を読むことをお勧めします。
まず、純粋に読み物として面白い!!
失礼と思いつつ、声を出して笑ってしまう部分が多々あります。
この面白さだけは読んでもらわないと解らない!
次に、アトピーの患者さんが経験するであろう悩みや失敗を隠すことなく記載しています。
これは医療者も患者さんも、おおいに勉強になります。
最後に、肩肘張らずに、眉間にしわなんか寄せずに、気楽に読める本です。だまされたと思って読んでみてください。損はしません。

大変な苦労を愉しく読ませて頂いてすみません

病気はなりたくてなる人はそういないでしょうが、アトピーの大変さはこの本からは多少茶化さなければ伝わらないものだということが、よくわかりました。アトピーは死ぬ(正確には適当でない治療による医源病死だが)、ステロイドは内因性のものがアトピーでは不足、とか根本的な間違った記述もありますが、著者の苦労からすると許されるでしょう。問題は重症も軽症もひっくるめてアトピーとして画一的な治療をする医療、本当の専門家の声が現場に反映されない、日常疾患であるアトピーをビジネスととらえている医療者、非医療者、そして何より悪くしているは、著者がいみじくも繰り返し述べている掻破という行為、です。みんなが困っていて、いろんなやり方が横行するのは、いずれも決定的ではない裏返しで、ステロイドならその至適量の塗布、とか専門家にとっては当たり前のことが行われていなくて、ステロイド是非を云々してもしょうがないでしょう。巡り合う医者で患者の転帰が決まるなんて、日本もまだまだだなあ!

民間療法に歯止め。

こどものアトピーが治るならお金なんていくらでも!
とお金があったら あれもこれも試してみたいと
思っていた私にちょっと歯止めをかけてくれた本でした。
民間療法で重症化した方や亡くなってしまったかたなどの
症例がいくつか心にささりました。

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